新しいしぐさで「ビート」が登場したことにより、
アストルティアではフライングV旋風が巻き起こっているようです。
このしぐさで見れるこのギター、あきらかにギブソンの「フライングV」というギターを模したものですよね。
皆さんこのしぐさを使って、色々な写真を撮って楽しんでいらっしゃるようですね。
福引きを当てた人が羨ましいです。
ところでこのギター、特異でインパクトのあるビジュアルから、何となくハードロックっぽいイメージをお持ちを方も多いのではないでしょうか??
このフライングVを使っているギタリストは多くいますが、このギターをメインに使っているギタリストというのはあまり多くはない印象です。
ステージ上でたまに持ち替えたりして弾くような、サブ的ポジションのギターとして扱っているギタリストが多いような気がします。
僕自身も弾いたことのないギターなので、音の特徴とか答えにくい部分はあるのですが、
ただ何となくですが、やはりギブソンらしく太くて芯の通った音という印象はあります。
で、実際の所このギターに対して皆さんどんなイメージをお持ちですか??
やはり僕の中でフライングVといえばこの人なんですよね。
その名もアルバート・キング!
言わずと知れたブルース界の巨匠ですが、
むしろ、このギターが世に広まるきっかけとなったのは、このアルバート・キングなのではないでしょうかね?
フライングVの元祖、先駆け的存在だと思っています。
この人以前にこのギターを愛用していた有名なギタリストというのは思い浮かびません。
オリジナルモデルもあって、本人のやつはアルバート・キングという名がネック部分に装飾された物を使っていますね。
このギターをメインに使っている数少ないギタリストの一人だと思います。
ブルース界からこのギターが広まっているのがちょっと意外な感じしませんか??
そしてその後くらいに、ジミヘン(ジミ・ヘンドリックス)が使い始めたことで、ロック、ハードロック界にも広がっていったようなそんな感じがします。
ジミヘンも基本ブルースの影響を強く受けていますし、当然アルバート・キングの影響も受けていることでしょう。そう考えると、アルバート・キングが使っているのを見て使い始めたというのは考えられそうです。
とは言っても、ジミヘンのメインギターはやはりストラトキャスターなので、フライングVをメインに使っているギタリストとは言い難いですね。
話はアルバート・キングに戻りますが、
その当時、特異な形であるこのギターというのは、ちょっと見た目の部分で抵抗を持ちそうですが、
そこをあえてこういうギターをチョイスするあたりに、人とは違うセンスみたいなものを感じたりもするのですが、
実際の所、何故このギターを選んだかというのは、
もしかしたら、彼が左利きだということが関係しているのかもしれません。
というのも、ギターを弾いたことがある人であれば、みんな驚く衝撃の事実があるのですが、
実はアルバート・キング、右利き用のギターをそのまま左で持ち替えて弾いているんですよ!
どういうことか分かりますか!?
ジミヘンも左利きですが、ジミヘンの場合は右利き用のギターを左で弾いているところまでは同じなのですが、ジミヘンはそのままだと上下逆さまになってしまう弦を、本来の弦の配列に張り替えて左利き用として使っています。
ところがアルバート・キングはそのまんまです。
どういうことか分かりますか!?
弦が上下逆さまのままギターを弾いているのですよ!
(細いほうの弦が上になっている状態)
ギターを少しでも弾いたことある人ならば、これがいかに異次元なことか想像できるかと思います。
つまり、アルバート・キングがこのギターを選んだ理由は、左右対称のデザインであることから、左で弾いても問題なく弾けるという所にあるのではないかと推測しております。
普通のよくあるギターですと左右非対称ですから、物によっては高音部分が弾きづらくなるという現象が起きるんだと思います。
例えば、こちらのレスポールのような形だと、
右利き用を左で弾いたら、高音部分が弾きづらくなるのは見て想像できますよね。
それと、この当時は左利き用のギターがあまり出回っていなかったというのも理由にあるのかと思います。
そうそう、これでちょっと思い出したのですが、
まだブルーハーツだった頃のマーシーのギター雑誌でのインタビューです。
確か、ギターの弾き方に関することで、
マーシーが独特なピックの持ち方で(中指と親指でつまむように持つ)そこから話が発展したように記憶していますが、
マーシー曰く、
「ギターの弾き方なんて、こう弾かなきゃいけないみたいな決まりもないし、人それぞれ自由でいいと思う」
というようなことを言っていて、
そこに付け加えるように、
「アルバート・キングなんて弦逆さまだし」
という感じで話していたのを思い出しました。
それがギターを弾き始めたばかりの僕には衝撃的だったので、今でも覚えているんですよね。
弦が逆さまだと!?
という感じになり、このアルバート・キングという名前だけは覚えておこうと思いました。
結局、実際に聴くようになるまでは、そこから3、4年経ってからになるのですが、
その独自のフレージングやチョーキングコントロール、ビブラートに驚かされましたね。
これは弦が逆さまだからこそ生まれたものなのでしょうかね。
あきらかに今まで聴いたものとは違う感じのオリジナリティを感じました。
このとき感じた新鮮さみたいなものに、形に捕らわれずに自分のスタイルを見つけることの重要性みたいなものを学びました。
ということで、今日は「しぐさビート」をきっかけに、
フライングVといえばこの人!ということでお話をしてきましたが、
これだけ話しておいて紹介しないわけにはいかないですよね。
やはり最後はアルバート・キングの曲を聴いてお別れしましょう。
とめどなく溢れ出す汗と、間奏部分でのソロを弾く手元にご注目!
どことなく愛嬌のある表情も素敵です。
アルバート・キングで「Oh, Pretty Woman」でした。