2ガジュマル
2016年とも今日でお別れです。

2016年最後の記事として、

今日は「ガジュマル賞」の発表をしたいと思います。


その年に発売された優秀なレコードや、活躍したアーティストなどに贈られる、日本では「日本レコード大賞」、アメリカでは「グラミー賞」なんていうのがありますが、(グラミー賞の発表は翌年になりますが)

要はそれの個人版です。

今年発売され、かつ僕が購入したアルバムの中から、最も優秀な作品に贈られる栄誉ある賞なのです。


さっそくノミネート作品を発表していきたいのですが、

振り返ってみると、今年購入したアルバムが少ないこと少ないこと・・・w

最近はどうも物色欲なくなってきて、CDを買うことも少なくなってしまいました。

気になったらYOU TUBEなどで観て、気になれば買おうと思うのですが、大体がそこで満足してしまい買わないパターンが多いですねw


ということで今年は、たったの5枚だけ。。

ノミネート作品を発売順に紹介していきます。


まずは、2016年はこのアルバムの発売と同時に、衝撃的な訃報とともに始まったと言っても良いでしょう。

デヴィッド・ボウイ 「★」(ブラックスター)
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残念ながらデヴィッド・ボウイは、このアルバム発売数日後に亡くなってしまいましたが、

最後の最後に本当に素晴らしいアルバムを残してくれました。


続いては2月か3月だったと思います。

我がドラクエファンにはお馴染みの

すぎやまこういち 「ドラゴンクエストⅩ いにしえの竜の伝承 オリジナルサウンドトラック」
61U+siHlGaL
購入当時書いた記事はこちら
「サウンドトラックを聴いてみよう!」


そして次は、初夏の時期だったでしょうか、夏はこればかり聴いていたような気もします。

ましまろ 「ましまろに」
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購入当時の記事はこちら
「本日の店内BGM ~11~」


そして次は、ほぼ毎年恒例の行事となりました、

クロマニヨンズのニューアルバム、

ザ・クロマニヨンズ 「ビンボロール」
61BOt3YFk7L
購入当時の記事はこちら
「BIMBOROLL A面」
「BIMBOROLL B面」


そして今年最後に購入したのが、1年の締めとしては最高の贈り物だったと思います。

ザ・ローリングストーンズ 「ブルー&ロンサム」
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つい先日書いたばかりの記事ですが、詳しくはこちら
「ブルー&ロンサム」


以上が今年僕が購入しました、たった5枚のアルバムです。

各アルバムの記事を読んでいただければ、僕がどれだけ気に入っているかが分かってもらえると思います。

そして、ノミネートされたこの5作品の中からガジュマル最優秀賞を決めるわけですが、

正直、ドラクエのサントラ以外(今回は過去作品のオムニバスのようなアルバムなのでほぼ対象外)はどれも素晴らしいアルバムなので、それを評価するなんてこと自体がナンセンスなのですが、


それでも僕は迷うことはありませんでした。

今年はもうこのアルバムで決まりです。

良いとか悪いとか、そういう次元の話ではないのです。

故人を追悼する意味合いもありますが、

そういうことを抜きにしても、本当に素晴らしい作品だと思いました。



もうお分かりですね。




ズバリ!



2016年 ガジュマル最優秀賞は、


デヴィッド・ボウイの


「★」(ブラックスター)です!!
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この作品はデヴィッド・ボウイの遺作となるわけですが、

多くの場合、遺作とは結果的にそうなってしまうことが多いですよね。

しかし、このアルバムは、恐らくこの作品が最後になることが分かっている中で制作されたもので、

自分の死期を悟った上で完成された作品だと思われます。


個人的には、もう、文句のつけようがないくらい完璧な作品だと思っているのですが、

なんというか、死ぬ前に何としても仕上げたいという情熱というか、そんな強い思いが伝わってくるような作品。

詳細は分かりませんが、必死で末期癌と闘いながら作り上げたものなのかもしれませんね。


長いキャリアのもとに最終的に行きついた未知の領域に達したとも言えるような、そんな創造性にあふれた作品でもあるのですが、どことなく過去作品を思わせるような懐かしい部分も感じることがあったり、

そして何といっても、最終的にたどり着いた場所でもありながら、音楽家デヴィッド・ボウイの本当の意味での原点に帰ったような、そんな風にも思えるのです。

そう思うのはなんというか、やはり今回の作品ではサックスがかなりいい味を出していて、アルバムの随所でいい雰囲気を生み出しているのですが、

もとはといえば、デヴィッド・ボウイが音楽にのめり込むきっかけになったというのが、ジャズサックス奏者のジョン・コルトレーンだという記事を昔読んだ記憶があります。

そしてボウイ自身もサックスを始めることになり、それがボウイの音楽家としてのキャリアのスタートとなるわけですが、今回のアルバムを聴いていると、結局ボウイが音楽を始めた頃から目指していたものはこういうことだったのかなーと思えてしまうのです。

「野垂れ死んだところで 本当のふるさと」

なんて歌がありますが、まさにこういうことなのかなと。

今回のアルバムでサックスを吹いているのは本人ではありませんが、コルトレーンに憧れて音楽を始めたボウイが、ずっとその当時の頃から思い描いていたものなのかもと感じとれるような、そんなジャズとしての側面もある作品でもあったり、

はたまた、どことなくトランスミュージックのようでもあったり、または映画音楽のようでもあり、もちろんロックでもあり、聴きようによっては全く新しいタイプの歌劇のようでもあるんですよね。

でも結局のところは、どのジャンルにも当てはまるようなものではないと思うのです。

もうデヴィッド・ボウイという名のジャンルなんですね、きっと。


ここ最近は洋楽を買っても、歌詞とか特に気にせずに訳詞に目をやることもなかったのですが、

やはり、最後に残した作品ということで、歌詞がどうしても気になっちゃったんですよね。

でも訳詞を読んでみるものの、結局のところはよく分からないのですが、

捉えようによっては遺書のようにも感じる文面もあったりで、ちょっと複雑な気持ちにもなったりしました。

でも訳詞ではやっぱりよく分からないな~

ボブ・ディランの記事のときにも言いましたが、本当にこういうとき英語が分からないのが悔しい・・

実際のところ、詩人としてのボウイの魅力ってどうなんでしょうかね?

あまりその辺の評価のようなものを耳にすることがありませんが、どうなんでしょう。

訳詞を読む限りでは、どことなく意味深で、独創的な詩の世界観があるように感じてしまうのですが、今年はボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞したことも話題になりましたが、文学的な目線で見た場合の魅力みたいなものは、英語が分かる人からすると、どんな感じなのか知りたいところではあります。

でもそれ以前に、音楽を通して言葉以上に伝わってくるものがあるので、まあ意味は分からなくても良いのですが、その辺がデヴィッド・ボウイの本当にすごいところでもあると思いますし。


ちょっとこの大傑作アルバムをどの観点から触れていいか分からず、まとまりのない文章になってしまいそうなので、最後にもう少しアルバム全体の話をすると、

アルバム全7曲なのですが、全体的にかなりダークな感じがしますね。

で、ぼーーっと聴いていると曲が変わったことに気づかないような感じに、流れるように次の曲へと変化していきます。アルバム全体に音の統一感があるので、このアルバム1枚通して一つの作品なんだな~と、そんな印象を受けます。
先ほども言ったように僕は詩的な部分は分からないのですが、音楽の部分だけでも全曲通してのストーリー性のようなものを感じます。

悪く言ってしまうとどの曲も似たようなサウンドと取る人もいるかもしれませんが、やはり各曲それぞれ個性はあるんですよね。

一度聴いて、おおお!ってテンションが上がるようなタイプの曲はないかもしれませんが、聴けば聴くほどっていう、いわゆるスルメ効果ってやつですね。

あと特徴的な部分ではドラムでしょうかね、1曲目の「★」なんかは、あえて打ち込みっぽい感じに表現しているのかもしれませんが、全体通してかなり独創的な叩き方ですね。
そして、コーラスなども幻想的なものだったりして、これもまた面白い。
聴くたびに色々気付くこともあって、そういう意味でも奥深い作品だと思います。


そういえば、クロマニヨンズのマーシーは、デヴィッド・ボウイのことを「本物のロックンローラー」と称していました。

これはマーシーの中での最上級の誉め言葉だと思うのですが、僕も同じく「本物のロックンローラー」であり、「本物の音楽家」、「真の音楽家」であることは間違いないと思っています。

まあ、「人を誉めるなら生きてるうちに」なんて言葉がありますが、

惜しまれながら亡くなってしまった、デヴィッド・ボウイの「★」に、

いや、デヴィッド・ボウイの「音楽家としての生き様」に、

「2016年 ガジュマル賞」を敬意をもって贈りたいと思います。


それでは今年最後になりますが、

そのガジュマル賞受賞作品「★」から、

2曲お届けしてお別れしましょう!

まずは、アルバムタイトル曲である「★」

10分にも及ぶ大作ですが、その10分間に一切無駄な要素がない、渾身の作品。

曲調が途中でがらりと変わり、また自然な感じに元の曲調に戻る一連の流れは芸術的ですね。

この延々と繰り返されるフレーズも不思議と段々癖になってきますね。


そしてもう1曲、「Lazarus」

先ほどアルバム全体にストーリー性を感じると言いましたが、英語が分からないので歌詞のことは分かりませんが、なぜかこの曲も「★」同じく、包帯を巻いた男が登場しています。もしかしたら歌詞の部分でも何かつながりがあるのでしょうか。
このPVを見ているとデヴィッド・ボウイは「俳優 デヴィッド・ボウイ」としての姿もあったんだよな~ということを思い返させられます。


ということで以上、「ガジュマル賞」の発表を持ちまして、今年最後の記事となります。

2016年ブログを読んでいただいた方、ありがとうございました!

この先、どの程度ブログを更新していくかは分かりませんが、

また来年もよろしくお願いします!

ありきたりの挨拶ですが、

皆さん良いお年を!!
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