2ガジュマル
皆さんおひさしぶりです。

久々のブログ更新になりますが、ちょっとリクエストも頂いたもので、恒例の記事でも書いてみようかなと思います。

安定のルーティーンでもって先月発売されました、ザ・クロマニヨンズの11枚目のニューアルバムの「ラッキー&ヘブン」のレビューです。

まあレビューとかいうと評論家の批評みたいな印象になってしまいますが、まあ早い話が僕なりの読書感想文みたいなものです。専門的なことは分かりませんので、純粋に素人目に聴いたまま感じたままに書いていきたいと思います。
記事が長くなってしまうので、去年の「ビンボロール」と同じような感じで、A面B面の2回に分けて1曲ずつコメントしていきます。


ではまず楽曲に入る前にジャケットですね。

今回はこんな感じのデザイン。
IMG_0233
「ラッキー」「ヘブン」という言葉のイメージからかなりギャップのあるデザインですね。

シンプルかつややダークな印象。

このデザインを見たときにまず僕の頭を過ったのが、このストーンズの「Doom And Gloom」のPV。

どことなく似てますよね。

レコードのサイズになったときの印象で比べると、個人的にはやはり前回の「ビンボロール」のジャケットのほうが飾ったときにしっくりくる気はします。


さて、ジャケットのデザインにも触れたところで、さっそく本題の中身のほうに行きましょう。

今回もヒロトとマーシー仲良く半分こで6曲ずつ全12曲ですね。



1 「デカしていこう」  マーシ作


もう全曲一通り聴いても1曲目はこれしかないなと思えるくらいドはまりの1曲目ですね。
テンポ感ビート感的にもこの出だしは抜群!ライブとかでもこの出だしはバッチリハマるでしょうね~
「何も持たず来たんだから  何も持たずに去ってくのがいい」というマーシーらしい言い回しもいいですね!
ベースのグルーブ感もいいですね。間奏部分の叫び声みたいなのもお洒落。


2 「流れ弾」  ヒロト作

そして2曲目。1曲目から2曲目に向けてスピード感を上げてくる感じがいいですね。ヒロト節炸裂の8ビートの曲。
実はこのアルバムが発売されるのと同じくらいのタイミングで、深夜のテレ東で放送されていた「ハイパーハードボイルドグルメリポート」というドキュメンタリー番組見ていたせいか、その内容とちょっとリンクしている感じがしちゃって、なんだかちょっと泣きそうな気持ちにもなりました。

その番組は世界のマフィアだとかギャングなどのヤバイやつらが普段どんな食事をしているのかというのをリポートするという趣旨のもので、まあ「クレイジージャーニー」でも似たようなものはありますが、それよりも生々しく鋭いドキュメンタリーという感じがしました。

で、その中でメキシコ系ギャングと黒人系ギャングの抗争というのがありまして、本人たちもなんでこんな争いが生まれたのかさえ思い出せないまま復讐の連鎖みたいなもので人を殺めていってしまうんですね。

中には良くないことだとは分かっていながらも、チームを抜けることが出来ないことの葛藤があったり、さらにはそんな中養わなければいけない子供もいたりするんですね。で、その子供たちはカラーギャングの象徴でもあるその色の違いだけで殺しあっていて全く意味がわからないなんてギャングに対して否定的なことも言ってたりで、まあ色々と考えせされるドキュメンタリーだったわけですが、

なんかその人たちにこんな歌が届けばな~なんてことも思ったりしたわけです。

「だから汚すなよ その手汚すなよ」と。

取材スタッフも、ここは取材をしている今この瞬間に撃たれてもおかしくない町なんだと脅されつつ、

まさに「今日の命は拾い物」のという歌詞と似たようなニュアンスのことをギャングの中の一人が言っていたのを思い出しましたね。

話が楽曲からだいぶそれましたが、コーラスとかもいいですよね。「月にささる 闇にささる」の部分とか癖になります。あとは「それは」「おれが」「ふれば」「おれさ」などの言葉が並ぶ語感の感触もいいですねえ。


3 「どん底」  マーシー作

3曲目は先行してシングルとして発表されている「どん底」。これもまた極めてシンプルな曲ですね。
雰囲気としては「バニシングポイント」なんかと似た印象。「どんだー 底だー」と「せぼねー ちからー」の感じとか。
「どんだ 底だ」とかはマーシーらしい表現で好きですね。
「力抜き 手は抜かない」とか。

「このままでは終わらない」と「このままでは終われない」みたいに一文字だけ変えてくる感じも作詞的な手法としてはよくあることなのかもしれませんが、この一文字変えるだけでも受ける印象とかニュアンスみたいなものが変わってくるのも面白いですね。小さなことですがこういうささやかな工夫好きです。

それからライブに向けてはハンドクラップの練習もしておかなきゃですね。クロマニヨンズの曲はコーラスもだけど意外とハンドクラップの入りますからね。

4 「足のはやい無口な女子」  マーシー作

そしてタイトルからしてこれはいったいなんだ?ってなる4曲目。
タイトルでこれはどういう歌なんだろうという想像させておいてからの、実際に曲を聴いてから見事に腑に落ちる感じがたまりませんな。もう十分すぎるくらいの表現力ですね。

これは小学生時代のあるあるネタに近い感じでしょうか?誰もがこういった経験がありそうですが、足がはやい子だったり、いつも物静かな無口な感じの子がいつの間にか転校しているみたいなこと、僕もこの曲を聴いて思い出す人が何人かいます。

曲調はかなりレトロ感のある味わい深い曲ですね。コーラスも素敵ですしね。

前作でいうところの「デトマソパンテーラを見た」的な名曲じゃないかと。曲調は全く違いますが、真のマーシーの真の表現力というのを思い知らされる1曲だと思います。最後の逆上がりのワンシーンが心に染みわたります。


5 「ハッセンハッピャク」  ヒロト作

ここではまたビート感を変えてきて16ビートのギターのカッティングが印象的なグルーブ感たっぷりの曲ですね。
過去の作品で言えば「這う」なんかと同系統の曲かなというイメージ。

で、この8800という数字に関してはそれほど深い意味はないような気がしますが、単にこの言葉の持つリズム感みたいなものを生かした感じではないかなと。あとはもしかしたら、なんで8の場合は「ハチセンハチヒャク」と発音しないんだろう?という素朴な疑問から生まれた曲かもしれませんね。
ということで色んな意味でちっちゃい「ッ」が肝の楽曲ではないかと思います。

これはライブではコーラスの頑張りどころですね。

またイントロの部分とかで聴ける「ウォーーーーウォオ!」っていうところもいいですよね。このコーラス一つでちょっとラテン感みたいなものも生まれてきている感じがします。さりげなくパーカッションみたいな音も入ってますね。



6 「嗚呼! もう夏は!」  ヒロト作

ここでも雰囲気をガラッと変えてきて、どっしりと重たい感じの曲。
ギターのバッキングやドラムの感じにどことなくストーンズ感も感じます。
一般的な夏のイメージからはかけ離れた曲調という感じがしますが、真夏の蒸し暑さや気だるさみたいな感じには合っている気もします。

世間的によくある夏ソングと言えば、青春時代の夏の思い出を美化したようなものが多い印象ですが、マーシーやヒロトが書くものは少年時代の思い出を歌にしたものが多いですよね。個人的にはやはり子供の頃の夏の歌のほうが子供にとって夏の存在がものすごく大きなものだったせいか心にがっつり迫ってくるものがありますね。

よくヒロトが、「ロックンロールは出会った時が最高で、それ以降はそれを超えることはなく、それを維持できるかどうかだけ」というようなことを言っていますが、夏にも同じことが言えるような気がしています。
子供の頃に経験した夏の思い出が最上級で、その後はその気持ちを忘れずにその気持ちをなぞっているだけのようなそんな感じ。まあ大人には大人の素敵な夏がありますが、それは子供の頃に刷り込まれた夏の魔法があってこそのもなんじゃないかなと。

まあ早い話が「夏=ロックンロール」ということですね。



というわけでA面は以上になります。

いつもならA面の途中にヒロト作のハープ中心の曲が入ってることが多いですが今回は無かったですねえ。


それでは続きは後ほど、またB面でお会いしましょう!
QLKESNG5