2ガジュマル
今日は僕の子供の頃の思い出話です。


それはまだ僕が保育園に通っていたころの、夏の日のことです。

その日は、園内にある小さなプールで、皆で遊ぶことになりました。

僕の記憶では、多分これが初めてのプールだったと思います。


初めての海水パンツに少し照れながら、皆でワイワイ、バシャバシャと遊んでいました。

もちろんまだ泳ぐことすらできません。

そんな中、先生が、

「それでは、誰が一番長く水の中に潜っていられるか競争しましょう」

何てこと言い出しました。

その時は簡単なことだ思っていました。


そして先生の合図でみんな一斉に潜りました。



「ぶはっ!」



頭に今まで味わったことのないような衝撃的な痛みとともに、

なんと僕は誰よりも早く、その間約2秒ほどで水から顔を上げてしまったのです。

周りはまだ普通に潜っています。

先生と僕だけが顔を見合わせるという不思議な状況の中、

他の子達も次々とギブアップしていきます。

そのとき先生は、多分この子は水が苦手なんだろうな~と、それほど気にもしなかったと思います。


続けて第2ラウンド目です。

僕も今度こそはと、激しい痛みに耐えながら、

さっきよりは頑張った、

4秒は行けたんじゃないでしょうかね。

それでも僕が一番に顔を上げてしまっていたのです。


もう何が何だか分かりませんでした。

なんで皆普通に潜っていられるのか。

このときもう2度とプールには入りたくないと思いました。


で、家に帰った後、その日のことを母親に話をしました。

「水に潜るとどうしても頭がツーーンとなって痛くなるんだけど・・・」

「何やってんの!?ちゃんと息を止めなきゃダメでしょ!」

「息を止める??」

もう目が点になりましたよ。

息を止めるなんて言う発想思いつきもしませんでした。

皆息を止めて潜っていたのかと、その時初めて理解しました。

そんなこと教えてくれなきゃ分からなくないですか??

皆知っていたことなんですかね??

僕は普通に水の中でも呼吸できると思っていましたよ。


で、さっそくその日、家のお風呂で試しに潜ってみて、

普通に潜れることが分かり、結局プールが嫌いになることもありませんでした。

こんなことは分かってしまえば、もう怖いものなしですね。


そして時は経ち、小学生になります。

1年生の夏、ここから本格的にプールで泳ぐことを学んでいくようになります。

水に潜れるようにはなったものの、まともに泳いだことすらないですからね。

水に潜れるようになって喜んでいた矢先、ここで早くも壁にぶち当たります。


初めはバタ足で泳ぐのを学ぶのですが、息継ぎがまったくできないので、息が切れたところでどうしても立ってしまいます。

なので僕はどんなに頑張っても10mくらいまでしか泳ぐことができなかったのです。

25mプールを泳ぎ切ることができないと級も上がらないんですよ。


25m、、なんて絶望的な距離なんだと思っていた所、

同級生の女の子が、見たこともないような泳ぎで、

しかも、すごくゆったりと軽々、とても楽そうな感じで25mをいとも簡単に泳ぎ切っているのを目撃してしまいました。

僕があんなに必死でバタ足でやってるのに、このいかにも楽そうなカエルみたいな泳ぎは何なんだ!?と、僕にとってこれはかなり衝撃的な映像でした。

その泳ぎというのが、いわゆる平泳ぎってやつです。

無駄な力とか一切入っていないような、なんて楽そうな泳ぎなんだと、そんな印象を受けました。

そしてこれを見て、何故か僕は「これなら行ける!」と思ったのです。


さっそく次の授業のとき、僕が泳ぐ番が回ってきて、その時見た泳ぎを思い出しながら、見様見真似でカエルをイメージしつつ泳いでみたら、

なんと、あっさり25m泳げてしまったのです!

正直自分でも驚きました。世の中にはこんなに疲れない簡単な泳ぎ方があったなんてと。

25m泳いでもまだ余力があったからさらに驚きです。


そして、それをきっかけにして、ぐんぐんと級が上がっていったわけです。


そしてそのまま夏休みになります。

小学生の夏休みというのは、

朝早く起きて毎日ラジオ体操があり、

そしてプールも毎日いかなければ行けなかったんですよね。

夏休みなんだけどほぼ毎日学校に行ってるという・・

正直しんどかったですね。。


そんなある日、体温が37度くらいあって、これなら休ませてもらえるかなと思って、

母に「37度あるからプールダメだよね?」

と聞いたところ、

「何言ってんの!?37度くらいどうってことないでしょ!ただでプール教えてもらえるんだから行ってきなさい!」

簡単には休ませてもらえませんでした。

まあそんなこともあって、毎日プールに通ったせいか、おかげさまでなぜか平泳ぎだけが上手くなりましたw


そしてさらに月日は経ち高学年になり、

とある先生の、

「25m泳ぐのに掻きと蹴りを10回以内でゴールするように」

という縛りのなかで特訓を受けたのがすごく良かったような気がします。

恐らくこれは伸びを意識させるための練習方法だったと思います。

これによりだいぶ上手くなりました。

なぜかこの頃、同じ25mでもクロールよりも平泳ぎのほうがタイムが早かったですw


そして今度はターンを覚えるようになります。

水中ででんぐり返しするやつですね。

実はここでも壁にぶち当たったのです。

皆普通にでんぐり返ししてるけど、僕はなぜか鼻に水が入ってきて、頭が痛くなっちゃうんですよね。

保育園のときの思い出が蘇ります。


で、友達に

「でんぐり返しするとき頭痛くならないの?」

と聞いたところ、

「回ってるとき、鼻から空気出さないとダメだよ」

って教えてもらったんです。

あのさ・・・皆初めからそういうことって知ってるものなの??

教えてもらわなきゃ分からなくない??

先生も先生で、みんな知っていて当然かのように話し進めるから、

自分だけおかしいのかと思っちゃいますね。


まあそれからは難なくターンもできるようになり、水泳大会みたいなのでもそこそこ活躍ができるようにまで成長しました。


とまあ、これが僕の思い出話なんですが、

結局何が言いたいのかというと、


水の中でも普通に呼吸できると思っていたこと、


平泳ぎを見た瞬間にマスターしてしまったこと、



これらを踏まえると、僕の前世はきっとカエルか何かだったんだろうなと、

本気で思っていますw

きっとドワーフという種族に惹かれたのも・・・
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ということで今日は、プールのお話ということで、

ハイロウズの「プール帰り」でお別れしましょう。

この曲を聴くと、こんな小学生の頃の夏の日のプールでの思い出が色々と蘇ります。

全く季節外れの話題でしたがw ではまた!
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